20120605
静岡県立美術館様からのご依頼で「日本油彩画200年」( 西欧への挑戦 〜黒田清輝、佐伯祐三、岸田劉生が求めた日本の絵画〜)のポスター、フライヤー、サインのデザインをしました。日本油彩画ときくと何か敷居が高いものを感じたりしてしまうかもしれませんが、今回の展覧会では今まで油彩画に興味がなかった方にも見ていただこうという内容のものです。最初のオリエンテーションで上級学芸員の方と担当の方のお話を聞いて凄く面白くすごく興味の持てる展覧会の内容だと思いました。学芸員の方が私にとても丁寧に細かく日本油彩画について説明していただきその内容がとても面白くひとりで学芸員の方の講演を聴かせていただいてるような贅沢な気分になりました。約200年前西欧から日本に油彩画が入ってきた時、日本の画家たちは衝撃を受けたそうです。そしてこの油彩画を学ぶために黒田清輝がフランスに渡ったことで、西洋美術を学ぶ画家たちは次第に増えていきました。そして油彩画を学び日本に戻ってきたときに日本の風土に合わない、国内の風景が従来の油彩画には合わないというなかで大変苦労したというお話を聞きました。そういったことからも日本の油彩画に対しては色々な評価があったというお話でした。しかし今回の展覧会ではそういった日本の油彩画独特の部分を個性と捉え、そこにスポットライトを浴びている展覧会ということでした。また逆に油彩画を学ぶため海外に渡りそのままその地に移り住み油彩画を描き続けた日本人の画家の描いた油彩画には日本人独特の感覚が反映されてるというお話を聞きました。お話を聞いているうちに200年前画家たちの苦労している姿、学びながらも海外に挑戦してそこで日本のアイデンティティに気づいている様、そして日本に戻ってきてからも苦労してる姿そういったものが浮かんできました。グローバル社会といわれている今日よりも200年前の日本の方がダイレクトに海外と戦っていたという印象も持ちました。こういった視点で日本の油彩画を紹介する事はかつてないということでした。展覧会の内容が今までにないと言う事ですのでそのビジュアルにも今までにない斬新なものが欲しいというご依頼でした。しかし当然のことながらポスターやフライヤーには作品をのせるのですが、トリミングは一切許されず実物と全く同じバランスのままでないといけません。その上で今までにない斬新なビジュアルを作成するというのは非常に困難なものでした。いくつものパターンを制作しプレゼンテーションにのぞみました。その中で選んでいただいたのは私の中でもイチオシでありそして一番最初に浮かんだデザインでした。それが上記のデザインです。学芸員の方のお話の中で日本の油彩画は200年前からある意味で戦い続け現在もまだ闘い続けているというお話がとても印象に残りました。このことから200年という歴史がありつつもまだ進化し続けている、つまり古い歴史があるけれどもすごく新しい芸術とも言えると思い、新しくそして戦い続けているような強いイメージのビジュアルを作成しました。そこに巨匠たちの油彩画を配置。歴史ある日本の油彩画と現代のグラフィックアートの融合を試みました。私もクリエイティブを仕事にする人間として戦いを挑んだデザインといえるかもしれません。最初のプレゼンテーションでも「今までにない斬新なデザイン」と評価を受けました。ほぼ最初のプレゼンテーションのデザインのまま完成しポスターフライヤーチケットそしてJR駅などに掲載されるサイン、電車の中吊り広告などさまざまな媒体に展開していきました。

美術館正面看板

駅前看板

各種チケット


ご覧の通り非常に目立つビジュアルとなりました。これは最初からの狙いだったのですが常に私は自分の仕事にこのことを気をつけているのですが、まず最初に目立つこと社会の風景の中にあって目立つこと、しかしただ目立てばいいというものではありません。いつも思うのですが私の仕事は不特定多数の方、心構えができていない一般の方の日常生活の中に飛び込んでいくものですので、広告は公共物という考えを持っています。ですので目立つために人を不快にするような表現ですとか下品なデザインというのは決してしてはいけないと思っています。品を保ちつつ目立ち、そして見た方が不快に思うことがなく少しても見た方の記憶に残るようなデザインを目指しています。各地のコンビニにもポスターが貼られます。多くの方々の目に触れるデザインになると思います。今まで日本の油彩画に興味を持たれなかった方にも興味を抱いてもらえることを思いながらデザインしました。一人でも多くの方々にこの展覧会に足を運んでいただけることを願っております。静岡県立美術館HP
静岡県立美術館「日本油彩画200年」 | 23:42 | - | POSTER
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