20120118
熱海ブランド ATAMI COLLECTION A-PLUSのクリエイティブディレクション、アートディレクション、デザインを担当しました。熱海ブランドとは、豊かな自然と温泉を背景に別荘地・観光地として発展した熱海ならではの多くの著名人・文人墨客がこよなく愛し食されてきた歴史や物語を持つ商品、あるいは良質な原材料を吟味・使用して新たに開発したこだわりの商品、さらに全て熱海市内で生産、または加工されている食品という点から審査を行い認定された商品を全国に情報発信していく事業です。1年半前に受けた依頼内容はゼロから一緒に考えてほしいというものでした。毎月行われる定例会議に出席し、アートディレクターとしてはもちろん熱海ブランドのあるべき姿という根本の所からも意見を述べさせて頂きました。数ヶ月に及ぶ会議の末、ブランドコンセプトが決まったところでネーミングの提案となりました。
実は最初にお話を頂いた時に私の頭に浮かんだのは温泉マークと「熱」という字でした。いわゆる温泉のイメージです。しかし、会議に出席し熱海の事を知るうちにそれは大きな間違いだったことに気付きました。関東のお客様が大半を占め、週末にぷらっと気軽に寄っていく感じで来街して頂くのが熱海という街だという事が分かりました。そこで具体的なネーミングのご提案の前に「真の熱海らしさとは何か?」についてお話させて頂きました。
それまでにお伺いしたお話、何度も通って私が実感した感覚から「熱海らしさ」をお客様の視点から考えてみますと、多くのお客様に選んで頂いてる最大の理由が「近くて気軽に行ける温泉街」という事、そのお客様の大半が首都圏からのお客様という事から、熱海らしさとは「近くて便利な温泉街」と考えられます。首都圏のお客様が週末に気軽に訪れる街として考えると「渋谷」「原宿」「表参道」等の中に同列で「熱海」が存在してもよいのではと思います。つまり

「海と山と温泉がある原宿」

という考え方も出来るのではないでしょうか?というお話をしました。するとこの「海と山と温泉がある原宿」というコピー(といっても表に出るコピーではありません。)を大変気に入って頂き、そのコンセプトの元考えたブランドネーミングもどれも気に入って頂けました。そして何度も議論を重ね最終的に決まったのが

 ATAMI COLLECTION A-PLUS(アタミコレクションエープラス)

というブランド名です。COLLECTIONは若い人からご年配の方まで非常に分かりやすい言葉で認識されやすいと思います。PLUSは「実はこんな素晴らしい商品があります。」という意味やこれから新たな商品を開発していくという意味を表しています。次にそのネーミングを使用したロゴデザインです。
今回はある一社のロゴでも、ある一つの商品のロゴでもありません。様々な会社の様々な商品に貼られるロゴです。どんな会社のどんな商品のどんなパッケージにも合うものでなくてはいけません。ロゴデザインとしては今までで一番難しかったかもしれません。そこで色々な包装紙に実際にロゴを置いて検証しました。先ずはシールを想定した原寸のロゴを制作し無数の検証を行い、その中から選び抜いたものを会議でプレゼン。実際に見て頂いてる様子です。
様々な包装紙に様々な形と色のロゴを乗せて実際に使用された場合をシミュレーション。さらには撮影した熱海市内の風景にのぼりを合成して検証。それぞれ40パターン以上作成しました。
委員のみなさんのご意見を元に少しづつ案を絞り込んで行きました。
数ヶ月に及んだ検証作業は毎回こういった形で委員のみなさんにプレゼンテーションしました。
私は色は赤や青、形はオーソドックスなものが選ばれるかと思っていたのですが、黒で個性的なデザインに絞り込まれました。数ヶ月に及ぶプレゼンと議論の末決まったロゴがこちらです。
Aと+ 
AとT
そして
富士山とその南東に位置する熱海を表す+
以上の要素を融合したデザインです。全体のフォルムを富士山をイメージしたのには「日本一の地域ブランドを目指す」という意味も含まれています。色は誇り高き「黒」。どんなパッケージに貼られても認識出来るという点からも選ばれました。検証していきながら分かったのですが今回のロゴに求められたのはどの商品にも「合う」デザインではなくどんな商品に貼られても「いい意味での違和感」があるデザインという事です。パッケージに溶け込んでしまったらお客様には気づいてもらえません。どの商品を見た時でも「ん?これは?」とシールに気づいてもらわなければなりません。その為にはどんな色にも染まらない黒でデザインは主張しながらも商品のデザインを邪魔しないものとなりました。このロゴを使用し、リーフレット、ホームページ、モバイルクリーナー、シール、のぼり、紙袋、パンフレット、名刺、認定証、看板、プライスカード、etc..様々ツールをデザインしました。
そして認定品の審査会。なんと審査員に特別審査員としてあの国際ソムリエ協会会長の田崎真也さんも。少しだけお話させて頂きましたが凄いオーラでした。そして田崎さんのアドバイスを受けながら行われた認定品審査の結果は、、具体的な数字はこちらでは書けませんが、凄く厳しい結果だった事は確かです。こういった地域ブランドは合格率が結構高いようですがA-PLUSは本当に厳しかったです。そういうブランドになってほしいという事は会議の中でも発言させて頂きましたし、ロゴデザインもそういう思いが込められているのですが、ここまで厳しいとは、、。その分認定された商品は本当に全国どこにでも胸を張ってもっていける「お土産」だと思います。残念ながら認定されなかった方々も「来年はもっと工夫して絶対認定されるように頑張ります!」というとても前向きな姿勢でいられるそうです。ブランディングを担当してる者としてとても嬉しかったです。
そして今日は認定式でした。
会場はこんな感じです。
私デザインの紙袋が整然と並んです。

会場内に置かれたのぼり。明日から熱海市中の認定店の前に掲げられます。
誇らしげに並ぶ認定品達
「いい違和感」のシール
今回も全てのツールをデザインさせて頂きました。こちらは認定証です。
モバイルクリーナー

TV局も各局取材に来て頂きました。
もちろん田崎真也さんも出席。恐れおおくも私が隣の席で、、。


1年以上かかった一大プロジェクトですので無事にこの日が迎えられてホッとしてます。
そして今週、このA-PLUSは東京でもお披露目されます。詳細はまだお伝えできませんのでまた後日。
熱海ブランド ATAMI COLLECTION A-PLUS | 00:06 | - | CI
skin / uterus